狭山市のパブリックコメント募集に対して、入曽まちづくりの会は2025年11月28日に意見を提出しました。

2025年12月22日追記

2025年12月22日、狭山市からすべてのパブリックコメントに対する回答が公表されました。

パブリックコメント募集概要

入曽駅周辺整備事業の中で、国から市に交付された補助金の対象期間終了に際して行う事後評価の素案について、市民から広く意見を聴取するために実施されたパブリックコメントです。(詳しくは狭山市のページをご覧ください

公開期間

2025年10月31日から11月28日まで

公開された事後評価案

パブリックコメント募集期間終了後に市のホームページからは既に削除されているため、会として控えているデータを下記からご覧になれます(画像をクリックすると拡大で見られます)。11月28日時点での素案であり、パブリックコメントなどの意見を受けて今後作成される最終的な文書は異なる可能性があります。

PDFファイルはこちら

会の提出意見

目標を定量化する指標1(駅北側踏切の歩行者交通量減少)について

目標設定自体が不適切な内容であり、目標未達成は自然な結果だと受け止める。このような計画の立案・政策の実施は合理的ではない。

理由は、地理的な要因と東西の需要格差の2点から定性的な考察が可能である。

地理的な要因は、入曽駅周辺の道路区画の歴史的特性と東西自由通路が中央に整備されなかったことである。入曽駅周辺では、多くの道路が駅や線路に対して平行か直角の関係に有るが、歴史的な経緯から市道B313(西口のこうゆうかんの前の通り)は斜めに通っている。くわえて、入曽駅はホームから南北ともほぼ等距離に踏切があるが、東西自由通路の整備位置がホーム中央ではなく極端に北に寄ってしまった。また、入曽駅周辺整備事業が当初示されていた東西共に街区を区画整理して駅前の需要を喚起する構想から西側が交通施設のみになり、商業施設は東のみになってしまった。したがって、東西移動の需要は主に西側の居住者が東側の商業施設等を利用する需要に絞られてしまった。ゆえに、利便性のために東西自由通路を利用する歩行者は、駅西側の市道B313周辺の一部の住民に限られていると考えることができる。その他の駅北部、中央部や南部の居住者は踏切を横断する方が東西の移動が最短距離になり便利である。したがって、当該踏切(駅北側の踏切)の横断歩行者交通量が1割減少という大きな変化を生む見通しは当初からなかったと考える

また、総合所見に「買い物目的で横断」とあり、市は交通量増加が有意な差を持った変化であると解釈していることが示唆されるが、これが正しいか否かは複数回計測による統計的な根拠やパーソントリップ調査などのより具体的な原因究明がなければ、事後評価として表記すべきではないと考える。

2025年12月22日追記

(狭山市の回答)

この都市再生整備計画にて設定した課題や踏切の歩行者交通量の減少も含めた三つの指標については計画策定時に埼玉県と国の確認を受けて決定したものですが、指標の設定内容や、複数回の計測やパーソントリップ調査の活用についてのご意見は、今後の都市再生整備計画事業の貴重なご意見として承らせていただきます。

目標を定量化する指標3(エリア内の店舗床面積の向上)について

店舗床面積の向上は主に市が誘致した新たな商業施設によるものが大きく、整備完了直後なので予定調和である。一方で、新たな商業施設と業態が重複する小売店や個人店は今後徐々に影響を受けることが予想され、商業施設開業後1年未満の数値のみで評価することは、本事業の効果を正確に捉えられないと考える。今後も数年から10年程度の推移を見届け、必要に応じて新たな政策を打つなど、長期的なフォローアップが必要ではないか。

2025年12月22日追記

(狭山市の回答)

本事業の課題には地域拠点として利便性の高い生活環境を確保することがあり、市有地である小学校跡地に誘致した大型商業施設は駅周辺の活性化に資する施策の一つであるため、誘致した大型商業施設も含めて計画エリア内の店舗床面積の向上を指標として設定しており、それを上回る結果でありました。また、都市再生整備計画事業においては計画期間の最終年度かその翌年度に事後評価を行うことが定められているため、まちびらき直後の本年度に事後評価を行っております。今回誘致した大型商業施設を運営する企業とは30年間の定期借地契約を結んでいることもあり、今後も⾧期に渡って駅周辺の商業施設の状況を確認してまいります。

その他の数値目標1(駅南側踏切の歩行者交通量減少)について

目標を定量化する指標1が未達のため新たに付け加えられた目標のように受け止める。駅北側の踏切と駅南側の踏切の歩行者交通量の要因はまったく異なり、東西自由通路の整備効果を示すような代替の達成目標とする妥当性はない。

整備前、駅南側の踏切は、駅の乗降客が駅構内の跨線橋を横断する替わりとして通行していたケースも多かったと記憶している。したがって、それらの利用者の歩行経路が大幅に変わってしまったことが主要な要因として挙げられるからである。したがって、当該踏切の歩行者交通量減少をもって東西自由通路の必要性や効果を直接示すことは難しい

ただし一般に、人身事故が生じうる踏切の歩行者交通量が減少したことは喜ばしいことではある。

2025年12月22日追記

(狭山市の回答)

駅北側と駅南側の踏切の交通量調査については事業の実施前と実施後にそれぞれ行っており、駅北側の歩行者交通量が増加したことのみを評価に記載するのではなく、駅南側の歩行者交通量が減少したことを併せて記載した方が、駅周辺の歩行者の流れの変化が伝わりやすいと考え、”その他の数値指標(当初設定した数値目標以外の指標)による効果発現状況”に駅南側の踏切の歩行者交通量結果を記載しました。

定性的な効果発現状況について

(1)駅利用者以外の東西自由通路利用者が12時間で46人存在することが東西自由通路整備の重要性を示す効果として挙げられているが、たった46人は普通の感覚で考えれば、整備の不要性すら思い浮かぶ少ない数値である。このような数字を根拠もなく真逆の解釈として整備効果を謳うことは行政として不適切であり行うべきではない。

ただし、今後の駅西側の開発次第で東西自由通路利用者が増加することも考えられるので、現状で利用者が少ないことは真摯に認め、利用者が増加するような開発条件や考えうる需要喚起策など、整備の費用対効果を確立する指針も併記するべきである

2025年12月22日追記

(狭山市の回答)

本事後評価においては駅利用者以外の東西自由通路利用者数が複数人発生したことを受けて、東西の往来が生まれ、利便性・回遊性が高まったと事後評価(案)において評価しております。

(2)整備前、狭隘な道路に歩行者、自転車、車両などが輻輳していたことが挙げられており、これが今回の入曽駅周辺整備事業の必要性として以前から市により熱心に説明されていたと認識している。今回の整備後に、送迎の車の大半が駅前広場に移動したことは事実ではあるが、場所は変わりつつも依然として“狭隘な道路”での送迎車や渋滞回避の自動車交通、歩行経路が変わったところなどがあり、入曽駅周辺を俯瞰してみると安全確保がなされたと言い切るには不十分だと考える。駅周辺の交通の危険性は多くの駅利用者や市民が感じていたことである。整備前に市が危険だと指摘した道路の整備後の交通量調査を改めて実施するなど、等条件で定量的な比較による慎重な評価と正確な結論を示してもらいたい

2025年12月22日追記

(狭山市の回答)

本事業により駅前広場と東西自由通路を整備したことで、事業の大きな目的であった朝夕の特に混雑する時間帯に歩行者、自動車、自転車等が輻輳する大変危険な状況の改善は達成できたと捉えておりますが、ご意見については今後のまちづくりを行う上での貴重なご意見として承らせていただきます。